乗馬ヨガコラム 第1回

第1回 乗馬とヨガって関係あるの?

本日よりコラム〈馬ヨガ〉の執筆をさせていただきます市村美歩です。

馬のマッサージや整体を行う”馬のスポーツセラピスト”として主に活動している筆者ですが、最近ではヨガの本場インドでトレーニングを受け、ヨガ指導者としての顔も持っております。

幼い頃から馬に囲まれて育ち、10代の頃には多数の馬術競技会に出場。その中で馬の体の構造に興味を持つようになると同時に、何か馬のためになる仕事をしたいと考えるようになり、20歳でイギリスへ渡り馬のスポーツセラピーとリハビリテーションを専門に学びました。そんな時、初めてヨガに出会ったのもイギリスでした。学校で開催されるヨガクラスに参加し、体が真っ直ぐに整う感覚やヨガ後の爽快感がやみつきになり、趣味として続けていましたが、その後二度インドを訪れ、運動としてだけでなくヨガ哲学の奥深さに触れ、益々ハマっていきました。

こうして、私にとってどちらもライフワークとなっていった乗馬とヨガですが、ヨガをやるうちに乗馬との共通点がたくさんあることに気付き、その楽しさが更にヨガを学ぶモチベーションとなっていきました。このコラムを通して、乗馬を楽しむ人にはヨガの魅力を、ヨガを楽しむ人には乗馬の魅力をお伝えできればと思います。

ヨガの教えでは、『バランスが取れていること』がとても重要視されます。これは身体的なバランスに限らず、ありとあらゆる対照的な性質をもつものの調和を意味しています。例えば、働くことと休むこと、得ることと与えること、大胆な行動力と慎重な判断力、など。どちらも必要な要素でどちらかに偏っていると無理が生じてしまいますが、調和がとれていると持続可能で結果的に効率の良いものになります。

では、馬に乗るにはどんなもののバランスが必要でしょうか?

まず騎乗者の重心のバランス。体が前に傾いていては馬の前肢に体重がかかり過ぎてしまうし、人は他の体のパーツを動かしにくくなってしまうかもしれません。逆に後ろに傾いていると、手綱を引っ張ってしまったり、馬の腰に負担がかかってしまう可能性があります。もちろん右や左に重心がずれていても扶助や馬の動きに影響してしまいます。自分の重心がどこにあるか感じて、調整し、保つことがとても重要になります。

次に筋力と柔軟性のバランス。体をコントロールするのに筋肉を使います。筋肉に十分な力がないと猫背や反り腰になり脚や腕も安定しません。しかし、筋肉だけを鍛えてもその筋肉や関節が柔らかくないと力が入りすぎ馬の動きを邪魔してしまったり、可動域が狭くなり扶助を出す時も思うように体を動かしにくくなってしまいます。柔軟でしなやかな体を筋力で支えることで馬上でも体がコントロールしやすくなり、馬と一緒に動けるようになります。

他には集中力とリラックスのバランス。他のあらゆるスポーツと同じく乗馬にも高い集中力が求められます。特に馬は生き物ですので、人間が予知できない動きをすることもあり、時には瞬時の判断と行動が必要です。常に周りの状況や馬の状態に注意を向け、馬とのコミュニケーションが途切れてはいけません。一方で、集中していると同時にリラックスする事も大切です。前出の柔軟性とも関係していますが、気持ちがリラックスして落ち着いていないと体も緊張し硬くなってしまいます。また、馬を信頼し、人が馬上で安心していることで、馬も人を信頼してくれるようになり、より円滑なコミュニケーションにつながるでしょう。

重心のバランス感覚、筋力、柔軟性、集中力、リラックスといったこれらの要素は、どれもヨガから得られる主な効果の一部です。通常の騎乗レッスンでも意識すれば徐々に向上できますが、ヨガを通して乗馬技術もより早く上達することでしょう!

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執筆者:市村美歩
2016年イギリスWrittle University College、Equine Sports Therapy and Rehabilitation (馬のスポーツセラピーとリハビリテーション専攻)の学位取得。2019年インドにて全米ヨガアライアンス認定ヨガ指導者資格取得。
現在は『Miho Ichimura Equine Sports Therapy』で馬のマッサージを中心とした整体、スポーツセラピーのサービスを提供。海外の馬情報もSNSで配信中。

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